前回のおさらい
- 貪欲の玉を売ろうとする旬
- 慌てふためく魔法兵、他の影たちは頼りにならない
- さぁ、どうする!
登場人物紹介
- 旬 … 主人公。炎を防ぐアーティファクトを買うために、貪欲の玉を売ろうとしている。
- 魔法兵A … 貪欲の玉の試し打ちをしていた魔法兵。勝手にハリーと名付けます。
- 魔法兵B … 実は女性。勝手にハーマイオニーと名付けます。
- 魔法兵C … のんびりした性格で、居眠りしていることが多い。勝手にロンと名付けます。
ある日の魔法兵-2
私は魔法兵ハーマイオニー。
いつも心地よい、君主の影の中が、今の私の居場所よ。
影の中は暗いけど温かくて、君主の視線を通してみる世界はどれも新鮮。
マスターの兵士になれて良かったな。
それにしても、何だか今日は騒がしい。
また同僚の魔法兵 ハリーがごちゃごちゃ騒いでいるみたい。
また私が注意してあげないと!
ハーマイオニー「ちょっと!ねぇ!何騒いでるの! 君主の迷惑になるでしょ!」
ハリー「あ!良いところに! 大変なんだ!手伝ってくれよ!」
ハーマイオニー「はぁ~何が大変なのよ?あんたはいつもアイアンさんとくだらないケンカしてるばっかりじゃない。」
ハリー「いや、今日は本当に大変なんだ…。 我らが君主が…。 貪欲の玉を売り払おうとしているんだ…!!」
訪れる沈黙。
ハーマイオニー「…は?何言ってんの、あんた。そんなことあるわけないでしょ」
「ねぇ!あんたも何とか言ってやってよ!」
ロン「え?どーしたの?」
木陰で居眠りしていたロン、寝起きの瞼をダルそうにこすりながら、二人の元へやってくる。
ハリー「いや、本当に大変なんだ!我らが君主が貪欲の玉を売ろうとしているんだ」
ロン「え!僕なんてまだ触ってもないのに、冗談言わないでよ~。あんな貴重なアイテム売るわけないじゃん」
ハリー「本当なんだって!信じてくれよ!ほら、外見て!!」
「え~~~~」と訝しげに、君主の視界を覗く二人。
そこには、ハンターオークション内で、支配人に案内される旬が映る。
二人「は!!??どうなってるの!!??ちょっと!早く言ってよ!!!」
ハリー「いやだから、ずっと言ってたって!!!T0T」
*
騒々しい魔法兵たちの傍ら、旬はたんたんとハンターオークションの中へと進んでいく。
厳かな鑑定室に案内され、複数のスタッフに囲まれる旬。
貪欲の玉がいくらになるのだろうかという好奇心で、騒々しい影たちに様子には一切気が付いていない。
主席鑑定士「それでは、アーティファクトを拝見します」
期待半分、疑い半分、緊張した面持ちの鑑定士。
旬「あぁ、はい、これです」
ポケットから無造作に、謎の玉を取り出した。
鑑定士( …!!?? え、今ポケットから出した!!??)
鑑定前ではあるが、もしほんとに魔法効果を2倍にする性能なのだとしたら、とんでもない価値の代物だ。
そんな貴重なものが無造作に包まれもせずにポケットから現れたことに驚く。
扱い雑~~~!というツッコミが喉元まで出そうになったが、相手はS級ハンター、ぐっとこらえる。
旬が鑑定士に貪欲の玉を預けた瞬間。
ハリー「やめてーーーーーーー!!!」
ハーマイオニー「だめーーーーーーーー!!!」
ロン「汚い手で触るなーーーーーー!!!」
鑑定士(ん…?なにか寒気が…)「それでは、鑑定に移らせて頂きますね」
旬「はい、よろしくお願いします」
*
魔法兵たちのどよめきなど露知らず、貪欲の玉の鑑定に移る旬。
さぁ、貪欲の玉の行方やいかに!!

***
つづく
こちらはピッコマ配信中のハンターオークションの章を読んで、mizが想像力を膨らませて書いた、二次創作です。
苦手な方は閲覧をお避け下さいませ。
お目汚し、失礼します。