前回のおさらい
- 3人でワタワタする魔法兵
- ハンターオークション会場で無造作に貪欲の玉を取り出す旬
- ついに鑑定士の手が貪欲の玉に…
登場人物紹介
- 旬 … 主人公。炎を防ぐアーティファクトを買うために、貪欲の玉を売ろうとしている。
- 魔法兵A … 貪欲の玉の試し打ちをしていた魔法兵。勝手にハリーと名付けます。
- 魔法兵B … 実は女性。勝手にハーマイオニーと名付けます。
- 魔法兵C … のんびりした性格で、居眠りしていることが多い。勝手にロンと名付けます。
- キバ … ハイオーク編で仲間になった新人。精鋭ナイト級で魔法兵たちより格上。
- イグリット … 魔法兵たちと同期だが、ナイト級で格上。
- アイアン … レッドゲート編で仲間になる。お調子者で怒りっぽい。
ある日の魔法兵-3
旬は、高級そうな台座の上に、貪欲の玉を置いた。
(これが…魔法効果を2倍にするという魔法増幅玉… 本当ならばすごいことだぞ…‼)
ゴクリ 美しく鮮やかな、神秘的な輝きをする玉を見て、息をのむ鑑定士。
「それでは、鑑定を始めさせていただきますね。」
まずは魔法増幅玉の外観を観察する鑑定士。
「よろしくお願いします」と、期待を込めた眼差しで見守る旬。
*
ハリー「なんてこった!!鑑定が始まっちまった!」
ロン「どうする…?ここを飛び出して主君を説得する…?」
ハーマイオニー「そんなこと出来ないわよ!!」
有効な手立てを思いつかず、なおも騒々しく慌てふためく魔法兵たち。
*
その時。観察を終えた鑑定士の手が、貪欲の玉に触れた。
(なんだ…?水晶玉からパワーが漲ってきたぞ…!?)
魔法系ハンターとして覚醒している鑑定士、触れた瞬間、貪欲の玉の効果を感じたようだ。
(これを自分のものにしたい…‼)
貪欲の玉の力に一瞬魅入られた、鑑定士。
愚かにも、貪欲の玉を強奪したい激しい欲求に囚われる。
*
その瞬間。
影の中で動きが起こった。イグリットが動いたのだ。
鋭い剣を鑑定士に向けて構え、全身から殺気が漂う。
ハリー「え、どうしたんですか!イグリットさん!」
急に殺気だった空気に、戸惑う魔法兵たち。
イグリット「あの者は、わが君主の持ち物を奪おうとしたのだ。そんな愚かな行為が許されるわけがない。主君にその首をささげよう。」
影が自分の意志で、外の世界に出られることは無い。
しかし、イグリットは明確な殺意を持ち、外の世界の鑑定士を睨みつける。
*
ビクッ‼
どこからか強烈な殺気を感じ、我に返る鑑定士。
(私はなんてことを… 相手はS級ハンターだぞ… )
落ち着きを取り戻し、鑑定を始める。
*
愚かにも貪欲の玉を奪い取ろうとした鑑定士が、我に返るのを見て、スッと剣を腰に戻すイグリット。
「命拾いしたな。」と、イグリットは捨て台詞を残す。
魔法兵たち( …。 イグリットさん、容赦ない…。)

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つづく
こちらはピッコマ配信中のハンターオークションの章を読んで、mizが想像力を膨らませて書いた、二次創作です。
苦手な方は閲覧をお避け下さいませ。
お目汚し、失礼します。