前回のおさらい
- 始まる鑑定、どよめく魔法兵
- 貪欲の玉に魅入られる鑑定士、イグの殺気で我に返る
登場人物紹介
- 旬 … 主人公。炎を防ぐアーティファクトを買うために、貪欲の玉を売ろうとしている。
- 魔法兵A … 貪欲の玉の試し打ちをしていた魔法兵。勝手にハリーと名付けます。
- 魔法兵B … 実は女性。勝手にハーマイオニーと名付けます。
- 魔法兵C … のんびりした性格で、居眠りしていることが多い。勝手にロンと名付けます。
- キバ … ハイオーク編で仲間になった新人。精鋭ナイト級で魔法兵たちより格上。
- イグリット … 魔法兵たちと同期だが、ナイト級で格上。
- アイアン … レッドゲート編で仲間になる。お調子者で怒りっぽい。
ある日の魔法兵-4
滞りなく進む、鑑定作業。
旬は、貪欲の玉の効果が確認でき、満足げである。
(いくらになるんだろうな…楽しみだ)
*
そして影の中。
ハリー「ねぇ、今気づいたんだけど、殺気が届くってことは、魔法の効果も届くんじゃない…?」
ロン「確かに!!」
ハーマイオニー「そうかも!!どうする?目くらましで、見えなくしてみる?」
ハリー「いや…それは主が怪しむだろう…」
ロン「あ!じゃあ持ち運びアイテムにならないくらい、おっきくしてみる??」
ハーマイオニー「それ良いわね!実用的なサイズじゃなければ、売れなくなるかも!!」
ハリー「よし、じゃあみんなで力を合わせて!キバさんに習った巨大化魔法をかけよう!!」
3人「おーーーーーー!!!」
*
鑑定士たちは、玉に触れながら魔法を放ち、その魔力量を確認している。
「すごい…本当に魔力量が2倍になっている…こんな素晴らしいアイテム見たことない…」
「ん?」
台座の上に置いてある貪欲の玉。
心なしか、先ほどよりも大きくなったように見える。
(あれ?こんなに大きかったっけ?)
*
鑑定の様子を眺める旬。
(あ、そういえば)
「あの、火属性の防御アーティファクトってありますか?」
まずは欲しいアーティファクトがいくらなのかも、調べておきたいよな。
そう思った旬は、金井に尋ねる。
「火属性の防御アーティファクトですか。ございますよ、あちらでご案内します。」
旬は金井とともに、様々な武器や防具のアーティファクトが並ぶVIPルームに移る。
*
(こうやってみると、色んな武器があるんだな)
E級として過ごしていた際は、全く縁のなかった高級なアーティファクトの数々。
貪欲の玉も高く売れそうだし、これを機に新しい短剣を手に入れても良いかもしれないと、考え始める。
「あの、防御アーティファクトと別に武器も見てみたいのですが、手に取って見れる短剣ってありますか?」
「もちろんでございます!!」と、答える金井。
マイクを使い、武器専門の担当者を呼び出してくれた。
*
(う~ん)
武器担当のスタッフがいくつかの数百万の短刀を見せてくれたものの、高いだけでイマイチパッとしない。
もしかして、ストアの短剣の方が高いんじゃ?
そう思い旬は、以前購入したナイトキラーの鑑定をしてもらうと、案の定、ナイトキラーには1千万をこえる値段が付いた。
(炎防御のアーティファクトもそれほど貴重じゃないみたいだし、貪欲の玉を売らなくても、ストアの武器を売れば十分お金も足りるのか?)
*
「あの、貪欲の玉の代わりにいくつか売りたいアイテムがあるんです。いったん、貪欲の玉をオークションにかけるのは保留にさせてもらって良いですか?」
「えっ!!??」と、明らかに残念そうな金井。
「預けていた貪欲の玉、いったん返して欲しいです。その代わりに…」」
残念そうな金井だったが、旬がどこからか取り出した高級な武器の数々に、また興奮した表情を取り戻している。
これなら貪欲の玉を売らずに済みそうだなとホッとして、インベントリにしまおうとする旬。
(あれ?この玉、こんな大きかったっけ?)
(こんな大きいと魔法兵たちじゃ持ちずらいよな…まぁ牙に持たせれば良いか)
*
「「「ワアアァァーーー!貪欲の玉を取り返したぞーーーーー!!」」」
魔法兵たちの作成が効いたかどうかは、よく分かりません。
しかし、めでたしめでたし、無事に貪欲の玉を売らずに済みましたとさ。
おしまい。

あとがき
ノベルの75・76話、マンガの79話をもとにした話です。
グタグタですみません。笑
ノベルの最後の、「「「ワアアァァーーー」」」って喜んでいる影たちの様子が可愛かったので、書いてみました(^^♪
ドタバタ騒いでいた魔法兵たちですが、結局旬の気まぐれで解決です。笑
こちらはピッコマ配信中のハンターオークションの章を読んで、mizが想像力を膨らませて書いた、二次創作です。
苦手な方は閲覧をお避け下さいませ。
お目汚し、失礼します。